でも本当は、生きられない存在なんだ。
ボクがこうして生きようとすることは、
森羅万象の法則からすればありえないことかもしれない。
でもボクは生きたいんだ。
その人のためにだったら、ボクは何でもできる。
ボク、きっとその人に恋したんだ。
その人はボクにいろいろなことを話してくれる。
そしてその人は、ボクにいろいろなことを求めてくる。
ボクはこの人のために生きられるなら、
できる限りこの人に応えようと思った。
「よし、今日は海を見に行こう!」
そうその人が望むのであれば、
ボクはとびっきりの海を見せてあげたいし、
「今夜は静かに星でも眺めようか!」
そうその人が望むならば、
ボクも降り注がんばかりの星を見せてあげたいと思う。
でも、ボク、片思いなんだ・・・。
ボクの声はその人に届かない。
もともと生きられない存在だから。
それでもボクね・・・。
その人はボクに『生命』を与えてくれたんだ、きっと。
だから、ボクは、その人の気づかないところで、
その人のために、精一杯頑張るんだ。
その人の名は霜片雄大。
ボクの名前は「ちゃっぴー」。
人はボクのことを『しもしゃ』と呼ぶけどね。
「ごー、ちゃっぴぃー!!」
こうしてボクとその人との微妙な関係は続くんだ。
でもたぶん、これが「幸せ」っていうんだよね?
「さぁ、今日も頼むぞ!!」
うん、ボク、頑張るよ。